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あこがれる人、江頭「ワンクールのレギュラーより、一回の伝説」
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ついに、世界の終わりがやってきた。

相方の相模が就職したのだ。

おめでとう。

これで心置きなく好きなことが出来るといっている。

しかし、相模の就職によって、世界の均衡が崩れて人類が滅亡するかもしれない。


それはそうと、昨日はピンクサロン、略してピンサロに行ってきた。

サロンというと芸術家や上流階級の気取った、もしくは気取らない集まりが思い浮かぶけど、

ピンクサロンという響きは、なんと軽くて悲しくて、そしてどうしようもなくエロい言葉だろうか。

そう、昨日は夕方の5時に電話で起こされた。

大学からの友達が吉祥寺に遊びに来ているという。そして

「大槻!ピンサロいこうぜ!」

なにやら不穏な空気が電話の向こうから流れてきた。もうすでにあちらがわはピンクだ。どうやら友人は一人ではなく二人らしい。

僕は起き抜けの曇った脳の活動と、なにやら得体の知れないどうでもいいやという感情に誘われるまま、最近出来たヨドバシカメラの裏にある、丸ベンチに座って待っている二人の元へ。

「3500円だ安いだろ」

なんと財布の中にはちょうど3500円入っていた。もうこれはいくしかないであろう。

「あ、ちょうど3500円あった」

俺が財布を覗いてそういったら二人は爆笑した。

しかし、3500円というのはいくらなんでも安すぎやしないか。働いてる人があんまりかわいそうじゃないか。聞くところによると、この二人は日曜日には決まってつるんでいるらしいのだが、
今日は昼間からネットでエロいサイトを覗いて遊ぶという非常にハイクラスなことをしていたらしいのだが、
その行為の最中に、吉祥寺のピンクサロンのキャンペーン企画を見つけたらしい。

「ところで、、大槻風俗いったことある?」

「ねえよ」

「は!?マジで?お前絶対行くタイプだと思ってた!顔的に」

顔についての意見は全部親とご先祖様に言ってくれと思った。俺の顔に罪はない。
「まーでももーいくわ、ノリで」

「そういえば、○○は?」

「俺もねえ」

「え!?マジで?」

どうやら一人の達人を除いて、俺を含む2人は風俗経験ゼロのようだ。いちおう自分はキャバクラに連れて行かれたことはあるが、

かわいい人が来て、しゃべって、はいさようなら。

金は連れてってくれたやつが払うというのでいったのだが、正直あんま面白くなかった。女の子を楽しませなきゃいけない。あれじゃ逆サービスだ。めんどくさくなって割とすぐに帰った悲しい思い出がある。

「ま、なんか面白いしいくか」

というわけで3人で連れ立って吉祥寺のピンクサロンキャンペーン中に出動したわけである。もうなにがしたいんだ。いや目的はきまってるけどもね。

しかし、びっくりした。さすがキャンペーンである。お店は3階にあるのだが、2階の階段の半ばまで、すでに行列が出来ている。いかにもな感じの男から、老人、割とおしゃれな人や、こざっぱりした好青年、ギャル男にいたるまで実に幅広い男、いやむしろ「雄賭虎」達が、戦場に赴く時の顔をして待っていた。
みんな半笑いだった。

多分普通の日と違い、キャンペーン中なので、普段絶対に生まれないであろう客同士の連帯感も発生していた。
「はじめてなんですよ」
「そうなの?じゃあ俺が色々教えてやるよ」
「学生証とか?へー」

そんな会話があちこちで起こっている。そこへ出勤してきた女の子が脇を通る。みんな一瞬黙る。

もうすべてがたまらなくおかしかった。

刻々と出撃時間が近づいてくる。しかし、多少めんどくさくなってきていた。既に45分並んでいる。

お店の入り口に差し掛かったころだった。店の奥のほうから店員が

「一時間待ちとなりまーす!!」

めんどくせ

二人はテンションが下がったものの、行くという。でももういいや、なんか。これからまた1時間ってディズニーランドか。

入り口で俺だけ引き返し、ラーメン食って、帰った。

そしてなんとなくもう、お店に入る寸前までのあの雰囲気が味わえただけでもう十分だったりもした。

女の子、制服と水着だった。かわいかったなあ。

それに驚いた。そして、なんか悲しくもなった。別にブサイクだって、きっと同じように悲しかった。

誰かと付き合うのだってある意味少し悲しいのに、わざわざ金払って悲しくなりたくないや。

誰かを他人だと感じない特別感のある関係がいいな。他人なんだけど、他人というものを感じない関係。

小学校の友達同士みたいな。友達だとか恋人だとか、そういった言葉がいらない関係。

そうじゃないと特別感もなにもなくなって、いつのまにか距離感もなにもわからなくなって傷つけあう。

ほんとそこら辺は中学生くらいからなかなか成長しないなあー。

今しばらくは、音楽のことだけ考えていたいや。

相模は今日から出社です。応援してね。

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