マスターに影響されて、僕も冒険するといって会社には来たものの、
特別冒険的要素が見当たらない。
なので、今日はお昼休みに行ったことのない場所へ行き飯をくったりしようという、
とても小さな小さな冒険を志して会社を出た。
王子の方へ歩くこと数分。「ハンバーグ」というのぼりの立った
個人経営らしいお店を発見。
思い切って・・1250円のハンバーグ・エビフライランチにした。
中途半端に高いメニューを注文して、心の中で
「3000円のステーキこそ冒険じゃないのか?いや、値段じゃない、
値段じゃないよ!ああでもぼかあ、ぼかああ」
とか考えている間にもりもりとランチを食い終わる。
紅茶を頼んだはずだが、
十年以上は夫婦二人でやってる感じのお店のなのに、
未だに接客慣れしていない感じのおばさんがぎこちない笑顔としぐさで
コーヒーを持ってきた。
僕もぎこちない笑顔でそれを受け取り飲み干した。
とても美味しかった。
おばあちゃんの溜まり場らしく「タキさんまだきてないの・・」と、
店に入るなりつぶやくおばあちゃんなど、
実にいいお店だった。
その後、方向を南の方へ変更し、東十条の方へぷらりぷらり。
いつも見かけていたパン屋さんの中へ。フィッシュバーガーとえびバーガー。
どうもどこかで見たことのある名前と具。バイト先・・・?
調理方法もきっと同じだな。
フィッシュバーガーを、おつりがでないように細かいのを出すのを待ってくれない
ノーヒューチャーなおばちゃんから購入。
再び東十条方向にのらのら歩きながら食う。本家よりうめえ。
その後、じゃあそろそろこの小さい冒険を終わりにして帰ろうかという道すがら、
まばゆいばかりの「冒険者」と遭遇した。
それはどうやらもう営業していないらしいぼろぼろのたたずまい。
一軒家で、ツタとか絡まってる。
昔ながらのラーメン屋さんとかによくある、あの、前に突き出したホロ、
といえばいいのか、に、普通にお店の名前が書いてあった。
まずホロの左側に「中華料理」とかかれていた。
だが右側には「和洋食の店」とかかれていた。
ん~・・・・
真ん中の店名を読んで全てが呑み込めた。
「自由軒」
自由すぎて潰れてしまったらしい。
すげえ。
赤羽め、少し見ねえ間に育ちやがって・・・
ズビ、、あ!・・・な、泣いてなんかないやい!わかばの煙が目にしみただけだぜ!
さああバイトへいってきやす。ハンバーガーと、ご一緒に冒険はいかがですか?