なんともいえない日だなあ。
御茶ノ水でスタジオにはいるために、作業があったんだけど、相模が泊まりにきて、よっぱらっっては音楽論を語られ、芋焼酎を飲んでは俺が引いてるギターをうばってひきだし、「ベースラインは俺が弾いてやるよ」といってきたのにとちゅうでやめるし、スタジオに行こうとしたら、ついていくと言い出すし、とにかく邪魔されまくった。
別な日なら全然よかったのに、よりによってスタジオ前日にくんなよ。酔っ払って。
ったく怒ってないから、こんどあったら浣腸させろ。
LAMAMAに音源もっていった。ついさっき、6時ジャストの約束どおりに。
渋谷の坂をおっもいMTRもちながら。
お気に入りのアロハシャツもあせまみれで、もうなんもかもやんなってた。
でも、そんな自分の目の先に「渋谷LAMAMA」の看板が。
はじめてはいるLAMAMAの中。
もー、血が騒いだ。血が騒ぐっていう表現がもっともふさわしいな。
小学校のころ、大好きな友達のうちに初めて遊びに行ったときと、ちょうど同じようなドキドキが
みるみる湧き上がってきて、
壁に貼ってあるポスターとかにいちいち感動しちゃったりして、
疲れなんて吹っ飛んじゃった。
でも、音源を渡す瞬間になって、ああって。
逃げ出したくなった。
音源渡したら、名前と住所とか書く紙を渡された。あー、もう渡しちゃったなあ。逃げられないなあ。
今、自分はずいぶん卑屈な顔してるんだろうなあ。って思ってなおさら逃げたくなったけど、観念して、履歴書みたいなものを書き始めることになった。事務所みたいな所に行くことになって、
入ってみたら、中はほんと雑然とした、なんていうか漫画家の作業場見たいな感じで、自分を担当してくれたKさん以外にも女性一人男性一人が机に向かって電話したり書類を整理したりで。自分はもう、うわー、うわーって感じで、もうなにがなんだかわかんなくなってしまった。
そしたらKさんいきなり音源聞き始めた。
まったく予想してなかったから、衝撃的な瞬間だった。
しかもよりによって、音源の1曲目は、斉藤君とはじめてスタジオに入った時に出来た、「下北ゴールデンボールズ」って言う曲。
斉藤君の「フォーオウ!!!!」っていうサイッコウに頭の悪い声から始まる最悪な歌。
金玉をかっとばすのかっとばさないのっていう歌なんだけど、もう、それが事務所のコンポで
がんがん流れ始めたんだ。
もうだめだ。って思った。
おれがどうかしてたんだ。よりによってなんで一曲目をあれにしたんだって、今朝の自分をのろったんだけど、もう遅かった。
つづいて2曲目はさらに、畳み掛けるように「エロサイト爆弾自宅PCにて炸裂」
誰も何にもしゃべらない。
「私は貝になりたい」って、そのとき真剣に思った。
3曲目、4曲目はKさん途中で聞くのやめちゃって。
「怒られる」
そう思った。「なんで生きてるの?」とかいわれるだろうなって覚悟しながら下向いて、
履歴書書く振りしてた。
「無理してかかなくても良いですよ」
とKさんが口を開いた。
「このバンドを組み始めたのはいつからですか?」
「は、・・半年前、です。多分、はい、半年です」
「どのくらいのペースでライブやってるの?」
「2ヶ月に一度くらい、です。そ、そソロでも活動してます」
さすがに一回しかやってませんなんていえなかった。Kさん。嘘ついたよ。
でも実際、2ヶ月にいちどっっていっても半年じゃ3回しかやってないじゃん。
どっちみちだめじゃん、
ちっさい見栄はったよ。はりまくったよ。ハリーポッター!俺、だっせーよ。きもいよって、いま思い出して、へこんだ。
「作詞作曲はどなたがやってるんですか?」
「今は、き、基本的に自分です」
「この音源はどういったものですか」
「は、半年くらいの間に、とった、音源で、全部ばらばら、です。ライブ音源もありますし、スタジオ録音も・・。」
「だいたい、バンドとして何曲くらいあるんですか?」
「3,40曲くらいは・・あります」
実際に、今のとこ、そのぐらいあるなあ。すごいなあ、いろんなこと聞かれるんだなあ。
っておもいながら、とにかく答えていった。
「じゃあ、日程を決めましょうか」
え?
?
「・・・」
Kさんが不思議そうな顔をして僕の顔をのぞいた。
「8月19日はどうですか?」
「・・・はい」
そのあとはなんかいろいろと説明をしていただいたけれど、あんま覚えてない。
どうせだれでもある程度なんか作ったのを持ち込めばオーディションライブくらい受けさせてもらえるんだろうと思っていた。
でも、さすがに自分たちのへコヘコ音楽じゃ相手にしてくれないだろうとも思ってた。
だから、実感がない。全然ないけど、なんかやらしてもらえるってことになった。
憧れの渋谷LAMAMAで。あのLAMAMAで。
帰り際、事務所のほかの人にもありがとうございましたって、いったら、なんかニヤニヤしてた。
それが、「変な馬鹿がきやがった」って、いうなんかそういうニヤニヤ顔で、それみて、なんか
うれしかったなあ。
井の頭線も各停でゆっくりゆっくり帰った。いそぎたくなかった。
雨に降られて、吉祥寺の駅から帰るとき、雨が気持ちよくて気持ちよくて。
そう、なんか、そこでやっと出るんだって実感が沸いてきた。
渋谷LAMAMAでライブ
決定しました。
8月19日(土)
12:30オープン
13:00スタート
で、時間は45分間。
詳しくは後日、決まり次第報告します。
7時半ごろに帰ってきてくたくた。相模が部屋の電気とクーラーをつけっぱなしだった。
もうあいつは昨日から、疲れさせまくる。浣腸の深さも5割ましにしてやる。
もうすぐ、もうすぐ峯田が立ったステージで歌えるんだ。
Kさん、嘘ついてごめんなさい。ごめんなさい。
今度あったときに謝ろう。
たぶんKさんは笑ってくれるだろうけど。
小さいうそをつくと自分が小さいやつだって、やっぱ思う。
でっかい嘘をつきとおせば本当になる。
すごくたのしそうな嘘を突き通すんだ。好きなだけ歌ったりなんかいろいろやりたい放題して、大好きなカレーをのどに詰まらせて、あの子に看取られて死ぬまで。
「すげーおいしかった」ってカレーでメッセージ書いて死のう。
それが僕の一番大きな嘘。
アロハシャツを干して、今夜だけはゆっくりしたい。
御茶ノ水でスタジオにはいるために、作業があったんだけど、相模が泊まりにきて、よっぱらっっては音楽論を語られ、芋焼酎を飲んでは俺が引いてるギターをうばってひきだし、「ベースラインは俺が弾いてやるよ」といってきたのにとちゅうでやめるし、スタジオに行こうとしたら、ついていくと言い出すし、とにかく邪魔されまくった。
別な日なら全然よかったのに、よりによってスタジオ前日にくんなよ。酔っ払って。
ったく怒ってないから、こんどあったら浣腸させろ。
LAMAMAに音源もっていった。ついさっき、6時ジャストの約束どおりに。
渋谷の坂をおっもいMTRもちながら。
お気に入りのアロハシャツもあせまみれで、もうなんもかもやんなってた。
でも、そんな自分の目の先に「渋谷LAMAMA」の看板が。
はじめてはいるLAMAMAの中。
もー、血が騒いだ。血が騒ぐっていう表現がもっともふさわしいな。
小学校のころ、大好きな友達のうちに初めて遊びに行ったときと、ちょうど同じようなドキドキが
みるみる湧き上がってきて、
壁に貼ってあるポスターとかにいちいち感動しちゃったりして、
疲れなんて吹っ飛んじゃった。
でも、音源を渡す瞬間になって、ああって。
逃げ出したくなった。
音源渡したら、名前と住所とか書く紙を渡された。あー、もう渡しちゃったなあ。逃げられないなあ。
今、自分はずいぶん卑屈な顔してるんだろうなあ。って思ってなおさら逃げたくなったけど、観念して、履歴書みたいなものを書き始めることになった。事務所みたいな所に行くことになって、
入ってみたら、中はほんと雑然とした、なんていうか漫画家の作業場見たいな感じで、自分を担当してくれたKさん以外にも女性一人男性一人が机に向かって電話したり書類を整理したりで。自分はもう、うわー、うわーって感じで、もうなにがなんだかわかんなくなってしまった。
そしたらKさんいきなり音源聞き始めた。
まったく予想してなかったから、衝撃的な瞬間だった。
しかもよりによって、音源の1曲目は、斉藤君とはじめてスタジオに入った時に出来た、「下北ゴールデンボールズ」って言う曲。
斉藤君の「フォーオウ!!!!」っていうサイッコウに頭の悪い声から始まる最悪な歌。
金玉をかっとばすのかっとばさないのっていう歌なんだけど、もう、それが事務所のコンポで
がんがん流れ始めたんだ。
もうだめだ。って思った。
おれがどうかしてたんだ。よりによってなんで一曲目をあれにしたんだって、今朝の自分をのろったんだけど、もう遅かった。
つづいて2曲目はさらに、畳み掛けるように「エロサイト爆弾自宅PCにて炸裂」
誰も何にもしゃべらない。
「私は貝になりたい」って、そのとき真剣に思った。
3曲目、4曲目はKさん途中で聞くのやめちゃって。
「怒られる」
そう思った。「なんで生きてるの?」とかいわれるだろうなって覚悟しながら下向いて、
履歴書書く振りしてた。
「無理してかかなくても良いですよ」
とKさんが口を開いた。
「このバンドを組み始めたのはいつからですか?」
「は、・・半年前、です。多分、はい、半年です」
「どのくらいのペースでライブやってるの?」
「2ヶ月に一度くらい、です。そ、そソロでも活動してます」
さすがに一回しかやってませんなんていえなかった。Kさん。嘘ついたよ。
でも実際、2ヶ月にいちどっっていっても半年じゃ3回しかやってないじゃん。
どっちみちだめじゃん、
ちっさい見栄はったよ。はりまくったよ。ハリーポッター!俺、だっせーよ。きもいよって、いま思い出して、へこんだ。
「作詞作曲はどなたがやってるんですか?」
「今は、き、基本的に自分です」
「この音源はどういったものですか」
「は、半年くらいの間に、とった、音源で、全部ばらばら、です。ライブ音源もありますし、スタジオ録音も・・。」
「だいたい、バンドとして何曲くらいあるんですか?」
「3,40曲くらいは・・あります」
実際に、今のとこ、そのぐらいあるなあ。すごいなあ、いろんなこと聞かれるんだなあ。
っておもいながら、とにかく答えていった。
「じゃあ、日程を決めましょうか」
え?
?
「・・・」
Kさんが不思議そうな顔をして僕の顔をのぞいた。
「8月19日はどうですか?」
「・・・はい」
そのあとはなんかいろいろと説明をしていただいたけれど、あんま覚えてない。
どうせだれでもある程度なんか作ったのを持ち込めばオーディションライブくらい受けさせてもらえるんだろうと思っていた。
でも、さすがに自分たちのへコヘコ音楽じゃ相手にしてくれないだろうとも思ってた。
だから、実感がない。全然ないけど、なんかやらしてもらえるってことになった。
憧れの渋谷LAMAMAで。あのLAMAMAで。
帰り際、事務所のほかの人にもありがとうございましたって、いったら、なんかニヤニヤしてた。
それが、「変な馬鹿がきやがった」って、いうなんかそういうニヤニヤ顔で、それみて、なんか
うれしかったなあ。
井の頭線も各停でゆっくりゆっくり帰った。いそぎたくなかった。
雨に降られて、吉祥寺の駅から帰るとき、雨が気持ちよくて気持ちよくて。
そう、なんか、そこでやっと出るんだって実感が沸いてきた。
渋谷LAMAMAでライブ
決定しました。
8月19日(土)
12:30オープン
13:00スタート
で、時間は45分間。
詳しくは後日、決まり次第報告します。
7時半ごろに帰ってきてくたくた。相模が部屋の電気とクーラーをつけっぱなしだった。
もうあいつは昨日から、疲れさせまくる。浣腸の深さも5割ましにしてやる。
もうすぐ、もうすぐ峯田が立ったステージで歌えるんだ。
Kさん、嘘ついてごめんなさい。ごめんなさい。
今度あったときに謝ろう。
たぶんKさんは笑ってくれるだろうけど。
小さいうそをつくと自分が小さいやつだって、やっぱ思う。
でっかい嘘をつきとおせば本当になる。
すごくたのしそうな嘘を突き通すんだ。好きなだけ歌ったりなんかいろいろやりたい放題して、大好きなカレーをのどに詰まらせて、あの子に看取られて死ぬまで。
「すげーおいしかった」ってカレーでメッセージ書いて死のう。
それが僕の一番大きな嘘。
アロハシャツを干して、今夜だけはゆっくりしたい。
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